SSブログ

大相撲の八百長問題について [理数系思いつき]

 あまりに久しぶりの投稿ですが,なかなか収束をみせない標記について,やっぱり何か言わずにいられませんでした。。。

http://www.nikkansports.com/sports/sumo/news/p-sp-tp3-20110213-736445.html 本件について,①事実の認定,②事実の落とし前,③再発防止,という三本立てで自分の意見を語ってみたいと思います。

[1] 事実の認定
 結論から言えば,過去から現在にわたって八百長がなかった,なんてことはないと思います。誰それがどう発言したとかしないとか,携帯メールに証拠が残ったとか,そんな話以前に,映像で多く残る

「不自然な取組」

がすべてを物語っていることでしょう。最近はYouTubeという便利なものもありますし,事実に反して嘘をつくということは極めて難しい状況でもあります。
 今回の件で街頭インタビューをみると,年配の方でも「八百長があったなんて信じられない」みたいなコメントがありますが,信じられないということが信じられない。ラジオ・テレビくらいしか大衆娯楽がなかった年代でそういうことを言うのは,単なる無知やお人よしでなければ,テレビカメラを前にした,年輪を重ねた総合判断としての「嘘」に違いありません。

[2] 事実の落とし前
 八百長の存在を前提として,それでは過去に八百長を行った力士の処遇はどうすればよいのでしょうか。ワタクシが考えるのは,以下の論点です。

(1)大相撲はプロスポーツなのか
 大相撲がプロスポーツであれば,八百長は絶対にいけません。プロ野球でもプロサッカーでも八百長の禁止規定が規則にありますし,プロスポーツにおいてはそれくらいのレベルで明文化されるべきものだと思います。プロ野球では大昔に「黒い霧事件」というのがあって,永久追放になってしまった選手もいました。
 一部に「大相撲は純然たるプロスポーツではなく『神事』である,あるいはプロレスと同様の『興行』と考えるべき」との議論があります。この論調はワタクシもよくわかります。確かに,ジャイアント馬場の十六文キックには敵の方から蹴られにいってました。でもそんなことはみんな知っていることです。その証拠に,その後どんどん競技性を重視したプロレスが旗揚げされ,現在では「総合格闘技」というプロスポーツのジャンルが確立しているではありませんか。大相撲がどちらに属するかは,観戦者によって異なるということかも知れません。

(2)時効制度と罪の意識
 日本の刑法では時効制度があるので,何年前の八百長まで遡るかを調査前に決めるのは自然でしょう。決めないと生産性があがりませんし,調査した様子で決めるというのも法治国家としては美しくない。
 もう一つ,八百長した力士がその当時,罪の意識があったのかという点もポイントだと思います。「よくないこととは感じつつも,周りでやっているのをみてきたのでつい・・・」といった場合に,プロレスと同じスタンスで臨んだのだという印象を持たないでもありません。少なくとも,千秋楽に7勝7敗の相手と当たる場合には,相手が飲み友達とかであれば,八百長がなくても何となく特殊な感情を持つことがあるかも知れません。境目はどこにあるのでしょうか。

(3)ワタクシの意見
 このように,大相撲のプロスポーツとしてのアイデンティティに十分なコンセンサスがなく,しかも八百長の定義が厳密な意味で線引きできない中で,いくら悉皆的な調査を行っても,有意義な結果が得られない気がします。このため,いったん灰色認定となった力士に関しては過去を一切問わず,個別に「生き残り勝ち星目標」を定め,一定期間内にこれに達しない場合は廃業ということにしてはどうかと思います。衆目が注目する中で八百長が発生するとは思えませんし,過去に過ちはあったかも知れないけれども今日的に十分な稽古を積んで強くなった力士は積極的に救済しようというのは健全な発想だと思います。

[3] 再発防止
 上記を踏まえて,再発防止について考えます。もちろん,コンプライアンス研修会とかそういうのは当たり前として載せていません。

(1)プロスポーツとしての八百長禁止の明文化
 ほとんど説明不要でしょう。一部に『神事』『興行』だと大らかに捉える人もいるかも知れませんが,そんな人たちだって例えば
http://himakou.blog.so-net.ne.jp/2010-02-05
といったガチンコ勝負を否定することはないはずです。今回を機に純然たるプロスポーツに生まれ変わるには,八百長禁止の明文規定が不可欠です。もちろん永久追放規定も。

(2)勝ち越し重視の番付編成の見直し
 7勝7敗で千秋楽を迎えた力士が八百長に絡みやすくなるのは,勝ち越せば「給金が直る」,すなわち給料がアップするからです。8勝7敗と7勝8敗で待遇に大きく差をつけるのではなく,滑らかなルールにすべきです。かろうじて8勝7敗でとどまった小結なんて,下からの強い昇進力士がいれば陥落させていいんです。勝ち越し重視の番付編成は,上位力士の既得権益を維持しようとする発想以外のなにものでもありません。相撲協会は何をおいてもすぐに着手すべきです。

 これで大相撲も安泰なのではないかと思いますが,いかがでしょうか。おしまい。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。