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一票の格差を解消する簡単な方法 [政治]

皆さんは日曜日の衆議院選挙は行かれましたか? ワタクシは事情があって朝早く(といっても9時過ぎ)投票所に出かけましたが,並ばずに投票できました。それにしても,三つの方向から選挙管理委員の人々が監視しているので,投票箱に入れる際に投票用紙に何を書いたか覗かれそうで,何だか気になりました。折りたたんで入れてもいいそうですが,「折らずに入れた方が少しでも開票作業が楽でいいかな」などと思ってしまい。。。

それはともかく,今回も一票の格差が解消されないままの選挙でした。最大で2.4倍の格差があったんだそうな。早速選挙無効を訴える裁判が方々で起こされているそうです。さまざまな政治的思惑がからまって,なかなかスッキリと格差解消されないわけですが,ワタクシは前々から「一票の格差を解消する簡単な方法」を思いついていました。今日はその話を。そもそも,一票の格差というのは,選挙区における有権者数と議員定数の比率が選挙区によって異なることから起こるわけです。したがって,一票の格差を解消するには,普通に考えれば以下の二つの方法しかありません。

(1)議員定数を調整する。

(2)選挙区の区割りを変えて有権者数の偏りを調整する。

ところで,小選挙区制においては1選挙区あたりの議員定数は1名と決まっていますから,(1)は採用できません(※)。したがって,普通に考えれば(2)となるわけで,先日の国会で決まった0増5減案は,5つの県で議員数を1名ずつ減らすものです。例えば,高知県には現在3つの小選挙区がありますが,これを2つの小選挙区に区割り直そうというわけです。

(※)これを理由に中選挙区制に戻そうという意見がありますが,話が逆のような気がします。選挙区の区割りをいじらずに有権者数の偏りを調整しやすいことは確かですが,そもそも中選挙区制よりも小選挙区制の方がよいと考えたから採用した経緯を総括しなければ,議論になりませんね。

しかし,0増5減案では,一票の格差は最大2倍弱にしかならないようです。もしかしたら裁判所はOKするかも知れませんが,2.4倍が1.9倍になれば十分なのかという疑問が出そうです。限りなく1倍に近づける努力をすべきではないのでしょうか。しかし,小選挙区制でこうした努力を行うのは限界があるかも知れません。。。

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さて,ここでワタクシはひねくれます。

「小選挙区制の区割りをいじらなくても一票の格差を限りなく1倍に近づける簡単な方法がある!!」

もうおわかりでしょうか。選挙区ごとに有権者数は正確にわかっているので,各国会議員は,自分の出身選挙区の有権者数を「持ち点」とし,国会での議決の際には議員毎の「持ち点」を集計して多数決するのです。

この場合,国会における議員の持つ一票の格差が生じます。同じ議員バッジをつけている議員たちの間に議決権の格差があることになるので。しかし,問題なのは有権者の持つ一票の格差であって,議員のそれではありません。また,有権者が少ない選挙区で選ばれた議員は背負っている民意が少ないわけですから,格差があるのは当然のことでしょう。高知県の有権者は絶対に文句を言えないはずですし,高知県出身の議員も同様です。

些細な反論としては,国会議決における集計が煩雑になるというものがありますが,バーコードでも電子カードでもどうとでもやりようがあります。当選議員には,議員バッジと同時に出身選挙区の有権者数を埋め込んだバーコード入りのカードを付与し,国会での議決の際にひな壇の上にある(コンビニのレジのような)バーコード読み取り機にくぐらせればよいだけのことです。国会中継が盛り上がりますよ,きっと。だって,議長席から「賛成有権者数5023万・・・,反対有権者数5081万・・・,よって本法案は否決されました」なんて言われるわけですから。賛成と反対の合計は必ず選挙時の有権者数に一致しますから,国民の参政意識もきっと高まるのではないでしょうか。

そうはいっても,同じ議員バッジをつけている議員たちの間にあからさまな価値の違いがあるのも忍びないという意見がありそうです。そうであれば,小選挙区制の区割りをこまめにいじるしかなくなりますが,どうやってもピッタリ1倍にはならないでしょうから,ワタクシの提案は依然として有効ではないでしょうか。

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いかかでしたでしょうか。ワタクシの提案にはいろいろ応用があって,例えば以下のようなものです。(あくまでアイディアベースです。)

(A)出身選挙区の有権者数を「持ち点」とする代わりに,選挙の際に実際に投票した人数を「持ち点」とする。こうすれば,地域による参政意識の違いを議員の価値に反映することができる。

(B)さらに進んで,当該議員に投票してくれた人数を「持ち点」とする。この方が納得感があるが,接戦となった場合の「死に票」が起きやすくなるかも知れない。

(C)そこで,(B)において「死に票」を比例区に充当する仕組みにすれば,「死に票」が限りなく少なくなる。現行制度でも,選挙区と比例区に重複立候補していた場合に選挙区で当選すれば,比例区のリストからは自動的に外れることで,選挙区での当選者が(実質的に)比例区で獲得した票が「死に票」とならずに他の比例区候補者に活用されるという仕組みがある。本アイディアはこれをさらに進めて,選挙区での落選者の票までも比例区に回すことで「死に票」を避けるというもの(※)。

(※)本アイディアは,選挙区と比例区の票が等価であるという前提を置いていますが,現在の制度も選挙区の当選者に関しては同様の発想に立っていると思います。

(D)自分の地域から選出された議員の議決権が小さいことを憂うならば,選出議員を減らして別の議員に集中するといった選択肢があるといいかも知れない。ただし,その地域の全選出議員が有する議決権の価値の合計は変わらない。

いかがでしょうか。こんな簡単なことで一票の格差を解消できるわけです。これまで無駄に費やしてきた裁判コストをこれ以上増やさないために,是非ともご一考いただきたいものです。

なお,選挙制度については前に ↓ でも書いていたので,併せてご覧いただけると幸いです。おしまい。

http://himakou.blog.so-net.ne.jp/2010-11-17
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コメント 1

綾紫

株主総会方式ですね。

私も

http://www.geocities.jp/murasakifox/index201303.html

で似たような事を考えていました。簡単で、議員自身の出処進退問題にも影響しませんから、実現性は高いと思います。
by 綾紫 (2013-07-10 06:29) 

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