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千葉法務大臣の死刑執行について [政治]

昨日から関東地方は風が強くて荒れ気味です。これを書いているいまも,サッシの外で風の音がすごいです。

今日は千葉景子法務大臣の死刑執行について。とりあえず事実確認から。

2009年8月~総選挙で民主党が大勝,単独過半数を確保して与党の座に着く。
2009年9月~鳩山政権発足。
2009年9月~千葉法務大臣就任。記者会見で死刑執行の承認許可を出すことについて「慎重に検討したい」と後ろ向きの姿勢を表明。
2010年2月~国会で死刑制度に明確に反対の姿勢を表明。
2010年7月~参議院選挙で落選。
2010年7月28日~栃木県と埼玉県の死刑囚について刑執行。千葉大臣も立ち会う。
2010年7月28日~千葉大臣,法務省に死刑のあり方検討会の立ち上げを発表。

この問題の論点は以下の二つに集約されると思います。

[1] 死刑制度の存在する国で現に存在する死刑囚に対して,自らの信条を理由に刑の執行を行わないという法務大臣は職責を全うしているといえるか。あるいは,自分の発言を翻した法務大臣は大臣の資質にふさわしいか。

[2] そもそも死刑制度は存続すべきか。

どちらも判断の難しい問題です。前者については組織論的にはまずダメ大臣ということになるでしょうが,モノが死刑制度である点には注意です。参議院選挙に落選して間もないタイミングでの決断が憶測を呼びやすいのかなとも思いますが,十分に考えた上での決断だったのかなという印象ですね。一国の大臣が自分の職責の範囲内で悩み悩んで判断したという事実についてはプラスに評価したいと思います。

問題の規模としては後者の方が圧倒的に大きい。ワタクシの現在の意見ですが,死刑制度は存続すべきだと思います。理由は,殺したいほど悪い犯罪者が存在する可能性が否定できないと思うからです。残念ながら凶悪犯罪は後を絶ちません。中には止むなくそうなってしまった犯罪者,同情すべき余地のある犯罪者もいるかも知れません。それでも,該当者がゼロになることはないと思いますし,犯罪抑止の効果もあるでしょう。

死刑制度反対論者の方々はおそらく,宗教的背景からそう考えておられる場合が多いのかなと想像します。すなわち,「神から授かったかけがえのない人の命を他人が奪うことはいかなる理由があっても許されない」といった議論です。これに反対する人は少ないと思います。人が人を殺すのは悪いことです。事実,殺人犯たちが犯行前にこういう気持ちを持ってくれたならば,そもそも殺人事件は起こらないでしょうから。これからわかることは,死刑制度は道徳的・宗教的な見地から正当化することはできず,もっぱら必要悪として国民が国家に付与すべき権限であるべきかどうかという議論にすぎないということです。

それにしても,死刑制度の議論って憲法九条の議論とどこか似てませんか。「軍隊は突き詰めれば人殺し集団なんだから,存在は悪である」とか「だからといって軍隊を持たなければ不道徳な他国の侵略を防げず,国民の生命や財産が守れないではないか」とか。しかし,死刑制度を廃止した国はたくさんあっても,軍隊を廃止した国はほとんどありません。軍隊の保有は国益に資するが,死刑制度の存続は国益に反するということか。。。よくわかりません。
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