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集団的自衛権の「集団」とは [政治]

こんにちは。三連休の中日を利用して,集団的自衛権の問題についてワタクシなりに考えてみました。集団的自衛権の行使については賛否両論あるところで,直近では滋賀県知事選で自民党候補が負けたのは集団的自衛権の閣議決定が主因であるとの見方が優勢です。大雑把で恐縮ですが,賛成派・反対派の意見をまとめてみました。

<賛成派>
・他国が普通に行使している権利を我が国が行使するのは当然だ
・湾岸戦争のときにたくさんお金を出しても感謝されなかったことを反省すべきだ
・同盟国アメリカが日本の国益を守ってくれているときに自ら自衛行為を行えないのはおかしい

<反対派>
・世界に誇る我が国の平和憲法と集団的自衛権は矛盾する
・我が国土や家族を再び戦争の災厄に巻き込むリスクが高まってしまう
・戦争を肯定する国だというレッテルを他国(特に中韓)から貼られるのは国益に反する

きちんと整理して列挙したわけではありませんが,賛成派と反対派は議論が噛み合っていない印象が拭えません。反対派の論壇の一角は朝日新聞が支えていると思われますが,今朝の朝日には,集団的自衛権に関する朝日の報道に疑問を感じると主張する,竹内行夫元外務次官へのインタビュー記事が載っており,大変勉強になります。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11253881.html

今日はこの記事に深入りしませんが,一つだけ「他国防衛説」と「自国防衛説」の違いは重要だと思いました。すなわち,集団的自衛というものを,攻撃された他国を助けると考えるか,それとも,他国が攻撃された際にその国との連帯関係を踏まえて自国への攻撃と同一視して武力攻撃に参加するか,という違いがあるというのです。竹内さんは現政権が「自国防衛説」を主軸として考えているとし,この限りにおいて現政権の進め方は適切だろうというのです。

ワタクシは竹内さんの立場に特段の違和感を感じませんでしたので,ワタクシは現政権のやり方を肯定的に捉えていることになると思いますが,一点だけ主張したいのは,集団的自衛権における「集団」というものを早い段階で宣言しておかなければならないのではないかということです。

冷静に考えてみれば「集団」という語には曖昧さがあり,「単なる集まり」なのか「こころざしや理念を同じくするものの集まり」なのか,それとも「参加する他国が攻撃された際に自国が攻撃されたと同一視できる程度に連帯感を有する集まり」なのかがはっきりしません。反対派が漠然と恐れる戦争への恐怖とは,「集団」の定義がはっきりしないために歯止めなく戦争に駆り出されることへの恐怖ではないでしょうか。

以上よりワタクシとしては,集団的自衛権における「集団」の定義をより丁寧に詰めていくことが,我が国の議論を健全に導くことになると思いますが,皆さんはいかがでしょうか。おしまい。
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