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不動産ノンリコースローンのモデル化 [金融]

久しぶりの投稿です。もう一ヶ月以上経っちゃったな~(^^;

唐突ですが,今日は「不動産ノンリコースローンのモデル化」について考えます。不動産を持たない企業が不動産を買って事業を行う場合,手元資金がなければ不動産の購入資金は借入によってまかなう必要があります。このとき,当該不動産は担保に差し入れるのが普通ですが,自社の信用で借入を行うのでなくSPC等を用いることにより,不動産担保以上の遡及責任を負わない形で借入を行う場合があります。これをノンリコース(=非遡及型)ローンといいます。

ノンリコースローンの満期は事業の予定期間に合わせて設定されるのが理想ですが,実際には借換前提で設定されることも多いようです。満期には何年かの延長オプションがついているものも多いようです。この場合,貸し手にとってのリスクとしては,

「事業がうまくいかなくなって利払いが滞るリスク」

がまず考えられますが,担保を現金化することも合わせて考えると,

「事業がうまくいかなくなり,かつ担保価値も下がってしまって保全割れになってしまうリスク」

ということになるでしょうか。すなわちノンリコースローンは,事業の継続性(=フローの健全性)と担保不動産の価値変動性(=ストックの健全性)の二つを考える必要がありそうです。


(1)最も簡単なモデル化は,LTVだけをウォッチするようなものです。すなわち,担保不動産の将来変動をモデル化し,例えばLTVが100%を超えたらデフォルトするというものです。担保不動産価値(Value)が株価モデルのように確率変動するようなイメージを持てば,比較的とっつきやすいモデルといえます。しかし,問題点として,

・Valueは株価のように日々取引所で価格が存在するようなものではなく,リアルタイムの観測は極めて困難。観測できたとしても,数ヶ月以上のタイムラグがある。そもそも,チャリチャリ確率変動するというよりは,周期変動するイメージに近いのではないか。

・Valueがどう動こうが,事業キャッシュフローが回っていればデフォルトしないはずなので,モデルとしては片手落ちではないか。現実にもValueのリアルタイムな観測は期待できないため,デフォルト判定もままならない。

といった点があります。


(2)やはり,事業キャッシュフローをモデル化する必要があるでしょう。利払い前ネット事業キャッシュフロー(NOI)の将来変動をモデル化すれば,返済原資が枯渇して初めてデフォルトするようなモデルを考えることができます。問題はNOIの将来変動をどうモデル化するかですが,思いつきとしては,

・NOIとValueの2変数ARMAモデル(のようなもの)を考える!!

というのはどうでしょうか。つまり,NOIとValueが連れ立って,過去の自分に関係するというものです。

<以下続く>
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